こちらは WP ZoomUP Advent Calendar 2021 の記事として書いています。ちょうどコチラのつぶやきがあり、自分ならどうするかなーと考えました。
私は断然ブロックエディターがおすすめ
まず前提ですが、私はクラシックエディターよりもブロックエディターのほうが便利で使いやすく、今後使い続けることを考えてもブロックエディターを選んだほうが良いと考えています。また最近はほぼ、ブロックエディターでサイトを作っています。
なので、クラシックエディターよりブロックエディターがおすすめですよ。という進言をすると思います。ただ。そんなにシンプルでなく、いろいろ考えるところが沢山ありそうです。
質問文から想像する本プロジェクト
商流(座組)について
「制作会社さんから、デザイン支給あり」ということで、こちらの案件の商流は以下になっていると想像できます。
エンドクライアント ↔ 制作会社 ↔ 自分
制作会社さんのブロックエディターへの理解度
また、「クラシックエディター前提」というワードがあるので、おそらく制作会社さんは、ブロックエディターの経験があまりない。もしくはクラシックエディターに慣れている。もしくは、今回のプロジェクトがサイトのリニューアルで、これまでクラシックエディターで保存されていた記事が沢山ある。といった、クラシックエディターをあえて選ぶ理由がありそうに思われます。
ブロックエディターを利用した制作フローの場合、ある程度ブロックの特性にあわせてデザインを組んだほうが、後々使いやすいものになります。これは、ブロックエディターだとデザインに自由度がなくなると言っているわけではありません。もちろんデザインを自由に変更もできるのですが、たとえばフロントページにおいて、セクションごとの並び替えを行ったり、間にバナーを追加するといったことが、テーマのPHP編集でなく、ブロックエディター側からできた方が、クライアントさんであとから操作できる幅が広がるわけです。そういった特性を理解してデザインが作られていると、なお良いですね。
ただ、ブロックエディターをあまり考慮されないで作られたデザインの場合は、ブロックエディターの良さが、活かしきれない場合もでてくることでしょう。
ブロックエディターを使うことで生まれる工数について
WordPressでは、納品後にも保守が必要なので、保守も含めて制作会社さんが対応する予定で、またクラシックエディターに使い慣れているという場合に、制作会社さんだけの工数を考えると、ブロックエディターは使わないという判断になる可能性もありそうです。
また、最終的にクライアントとのやり取りがあるので、デザイン的であったり、システム的に修正を制作会社さん側で請けられる可能性が高いです。そのときにカスタムブロックなどを導入していると、修正方法が分からないといったことも起きそうです。
これまでにクライアントさんがクラシックエディターになれている場合には、なぜブロックエディターを利用するのか、どのように使うのか。ということを説明する必要も出てきます。
このように、それでもブロックエディターを利用するとした場合には、それ相応のコストが掛かるということになります。もともとのクライアントさんからのオーダーが「あまり費用がかけられないので、いつもどおりでお願いします!」といった内容だと、そもそもこういったコストが掛けられないというケースもあると思います。
プロジェクトにおけるパワーバランス
さらに言うと、請負における上流から下流へのパワーバランスもあると思います。クラシックエディター前提ということでオーダーがあるので、そのまま作っていれば、上記のような工数や、このような疑問、悩みというのは生まれませんし、説得する必要もなくなります。
それでもブロックエディターをオススメしたい理由
とはいえ、よくクラシックエディターかブロックエディターかの選択の際にお話するのですが、いま初めてWordPressを触る人にとって、両方のエディターが並べられて好きな方を選んでくださいと言われたら、殆どの方はブロックエディターを気に入ってくださると思います。
また、今後のWordPressの開発の方向を考えると、様々な便利な機能はブロックエディター側で開発が多くされることでしょう。
以上の内容で、制作時にそれぞれの人にコストが掛かったとしても、最終的にきっと便利になるブロックエディターを進めたいという姿勢はお伝えしたいところです。
できることならみんなで相談して決めたい
できることならクライアントさんも含めて3社で、ビジュアルエディターを導入することのメリットとデメリットを共有した上で、どちらかに落ち着けるといいかなと思います。
最終的に判断いただくのは、クライアントさんですし、今回の商流だと、制作会社さんでもあると思います。
というわけで、どっち付かずな結論ですが、最終的に費用を出してくださるのはクライアントさんなので、制作者として、WordPress的目線ではコチラが良いですよという提案をお伝えし、その上でクライアントさんが納得いただく判断をいただければ、それが一番良いかなと思いました。