本日の趣旨説明
- バックアップの取得、定期的な設定方法
- バックアップを元にした復元方法
- バックアップを元にしたローカル環境の構築
- アップデート時のチェックリストの作成方法
- 質疑応答
そもそも保守・メンテナンスって?
- 障害を起こさないために行う業務
- 故障や不具合などのイレギュラーなトラブルに対応する業務
主なWordPressの保守・メンテナンスって?
- 死活監視
- バックアップ
- アップデート
- WordPress関連
- コア
- プラグイン
- テーマ
- サーバ環境関連
- Linux
- Apache / Nginx
- MySQL
- PHP
- WordPress関連
- バックアップからの復元
- 不具合が起きたときの復旧
それってWordPressに必要?
- はい、必要です。
- WordPressはたくさんの人が使っています。(世界のシェア40%以上)
- そしてたくさんのテーマやプラグインが提供されています。
- そのどれもがセキュリティー的な脆弱性を持っている可能性があり、それが発見されると、作者等に連絡が行われ、それに対応したファイルがアップデートとして提供される場合があります。
- ので安全に利用するためにはアップデートが必要です。
- そしてアップデートを含み、障害を起こさないような対応のためにはバックアップも必要です。
- そしてもし障害が起こった場合には、それを自分で修正する。もしくは修正してくれるサービスや人に対応を依頼する必要があります。
死活監視
- サーバがおちていたり、サイトが真っ白になっていたり、通常表示されるはずのページが表示されない場合にメールなどに通知を送る
- JetPack Pluginの場合
- 5分毎に監視し、問題が発生した場合、連携した.comアカウントのメールに通知が送信されます。
- 関連
- 通知の例
- 異常検知時
- 復旧検知時
バックアップ
なぜバックアップするの?
- アップデートやデータベースの操作などをおこなったあと、不具合が発生しても元に戻せるようにする
- 安全なアップデートを行うために、先に別の環境で試すことができる
- セキュリティ的な問題(改ざんなど)があった場合に、それ以前の状態に一旦戻すことができる(対策は必要)
バックアップで考えること
- 費用
- 有料か無料か
- 頻度
- リアルタイム(ほぼ逐次)
- 1日1回
- 1週間に1回
- 1ヶ月に1回
- 保存する世代数
- どれだけの世代をバックアップとして保存するか
- バックアップの範囲
- どこまでの範囲を保存するか
- WordPress全体
- サーバ全体
- 部分的に
- どこまでの範囲を保存するか
- どこに保存するか
- 同サーバ
- 別箇所
- ローカル
- 容量
- バックアップの容量はどのぐらいか?
- どのように
- 自動
- 手動
バックアップの方法毎のメリットとデメリット
- 手動
- メリット
- 好きなときに好きな場所に好きな頻度でバックアップできる
- システムを自前で構築すれば、自動化も可能
- デメリット
- 都度作業が発生し、忘れやすく、面倒、時間がかかる
- 作業のミスにより、サイトに影響が出てしまう可能性がある
- 技術が必要
- メリット
- ホスティングサーバが提供するバックアップ機能の利用
- メリット
- 任せられる
- 初期設定が必要なケースがあるが、その後は放置可能
- WordPress自体に不具合があった場合にも復元できるサービスも存在
- デメリット
- ホスティング会社ごとにサービスの内容が異なる
- 世帯数や範囲などを決められない場合がある
- 復元に費用がかかる場合もある
- メリット
- SaaSサービスの利用
- メリット
- バックアップ以外にも保守に関するサービスが複合的に提供される
- WordPress自体に不具合があった場合にも復元できるサービスも存在
- デメリット
- 費用がかかる
- 利用するSaaSによって、サービスの範疇が異なる
- SaaSサービス側の信頼度に依存する
- メリット
- プラグインの利用
- メリット
- プラグインをインストールし、設定をするだけでバックアップを開始できる
- デメリット
- プラグインにより提供サービスが異なる
- 課金となるポイントも異なる
- WordPressが動かない場合、動かなくなるケースが多い
- メリット
プラグインでのバックアップ、よく使われているであろうプラグインの紹介
- BackWPup
- UpdraftPlus
- All-in-One WP Migration
- 比較
名前 | スケジュール機能 | 世代管理機能 | 外部ストレージ保存 | 復元 | 範囲 |
BackWPup | 手動でファイルとDBを戻す必要あり簡単復元機能は有料 | WordPress全体 | |||
UpdraftPlus | WordPress本体は含まれず。DB、プラグイン、テーマ、アップロード、翻訳などプラグイン側であらかじめ設定されたファイルのみ | ||||
All-in-One WP Migration | 有料 | 有料 | 有料 | サーバ内のファイルからの復元は外部サーバからの復元は有料 | WordPress本体は含まれず。DB、プラグイン、テーマ、アップロード、翻訳などプラグイン側であらかじめ設定されたファイルのみ |
- 詳しい情報
- おすすめの WordPress バックアッププラグインの比較 – Jetpack by WordPress.com
アップデート
- アップデートは必要かどうか
- 必要
- アップデートの中には脆弱性への対策が含まれていることがあり、アップデートは必須
- アップデートの難しさ
- アップデートの結果、表示がうまくされないことがある
考えられる不具合
- 画面が動かなくなる
- ファイルの欠損やエラーによる不具合
- アップデートのファイル送受信時
- 記述したコードのエラー
- 他のプラグインなどとのバッティング
- ファイルの欠損やエラーによる不具合
- 画面は動いているが一部崩れる
- 表示されるコードが変更された
- 機能が追加された、削除された
- その他
不具合が起こったときの対処法
- 画面にエラーが表示されるかどうか
- エラーが表示されない場合、デバッグモードをtrueにしてエラーをまずは表示する
- wp-config.phpにおいて
- define( ‘WP_DEBUG’, true );
- エラーの解決
- エラーの原因となる箇所を修正する
- エラーの原因となっている機能を一旦止める(プラグインやテーマなどをデフォルトに戻すなど)
- Tips : 大抵の場合、どれかがPHPのFatal Errorになっているはずなので、そのファイルを含むプラグインなどを止めると、普及することが多いです。
- 画面が動いているが一部崩れている場合
- 原因の特定
- CSSなどの調整
- Tips : こちらはコア、プラグイン、テーマの仕様がアップデートで変わることで起こる場合が多いように感じます。この場合は、該当箇所の修正、カスタマイズしている部分で対応する必要があります。(直接、元のファイルを触るのはNG)
作業は簡単ではない場合もある。
ただ、殆どの場合、アップデートに問題が起こることは少ない
また、致命的な問題が起こった場合には、その途中で通知を管理者に向けてメールし、作業を中断する機能がWordPressに搭載されている。
そこで自動アップデート機能有効化のススメ
プラグインとテーマの自動更新
- プラグインを使った一括自動更新設定
- 自動アップデート後の通知メールサンプル
バックアップを元にしたローカル環境の構築
- All-in-One WP Migrationを元に作成するのが簡単と考えられる
- もしくは、サイトクローン機能を提供するサービスの利用
- All-in-One WP Migration + Localを利用した場合の注意点
- PHPのバージョンを本番環境に揃える
- WPのコアを本番環境に揃える
- releaseから該当バージョンをDLして利用する
- 一度立ち上げた後に、WP Downgradeプラグインを利用してコアのダウングレードを実施
アップデート時のチェックリストの作成方法
- 各種テンプレート別にページが表示されるかどうかを確認、エラーが出てないか
- TOP
- 一覧
- 記事詳細
- 固定ページ
- 管理画面の中でエラーが出てないか
- ダッシュボード
- 投稿タイプ毎の投稿一覧
- 投稿タイプ毎の投稿編集画面
- プラグイン毎の画面
- 投稿が行えるか
- サンプルの投稿テスト
- 画像のアップロードも行う
- カスタムブロック
- 既存の記事の編集
- 各種利用プラグインが問題なく利用できるか
テンプレート別のキャプチャの確認アイディア
- BackstopJS(ビジュアルリグレッションテスト)
- プラグインを利用したビジュアルリグレッションテスト
- VRTs – 視覚的回帰テスト
- 3ページまで無料
- https://ja.wordpress.org/plugins/visual-regression-tests/
- VRTs – 視覚的回帰テスト
ご協力頂いた方
- Shingo Endoh